1.設定前
①民事信託と民事信託以外の施策との優劣を比較・検討し、遺言、任意後見等の併用について顧客に説明する。
②委託者の推定相続人が受託者であり、委託者又は受益者と受託者との間の利益相反がある場合は、委託者に対しそのリスクを十分に説明しなければならない。また専門家の信託監督人の選任等の対応策を提案する必要がある。
③親族を受託者にする場合はその適格性を確認しなければならない。その者に対して受託者の業務を説明し、その者がこれを適切に履行ができない場合は、業務の一部を外部委託することを検討する。
④信託設定が遺留分を侵害する場合は、委託者に対して侵害を受ける家族の構成員の同意を促す。
⑤受託者となる者に対して、信託業法等の業規制に注意を喚起する。また、信託財産責任負担債務について無限責任があることに注意を喚起する。受益者が受託者を監督することのできない場合は受益者代理人又は信託監督人の選任を検討する。
⑥委託者及び受益者に対して、信託の設定時およびその後の税務の取り扱いに注意を喚起する。
⑦信託が長期に及ぶ場合は、信託財産や受益者の変動、受託者の辞任・死亡、受益者に対する課税のリスクがあることを説明し、対応措置を講じておかなければならない。
⑧信託組成報酬、外部費用、登記料等の総費用の見積もりを適正に行わなければならない。
2.設定時
①委託者の意思能力の確認し、委託者及び受託者に対して、信託証書の各条文について説明し、その内容の理解を得る。遺言による信託の場合は、委託者の遺言能力を確認し、受託者の就任意思を確認する。
②信託財産のための専用口座(信託口口座)の開設、信託不動産等の信託登記手続きを促す
3.信託期中及び終了後
定期的に委託者、受託者及び必要に応じて受益者に対してフォローアップを行い、組成信託が円滑に運営されていることを確認する。
(なお、具体的な業務実施のガイドラインは別に作成するガイドブックを参照のこと。)
以上